最近のコメント

    阿達雅志
    知財から見える世界:第9回 知的財産権と中国

    知財から見える世界:第9回 知的財産権と中国

    近年の中国経済の驚異的な発展の一方で、中国における知的財産権の侵害が大きな問題となっている。中国は2001年に世界貿易機関(WTO)に加盟に際して、知的財産保護に関するTRIPS協定に同意しており、知的財産権保護のための国内法整備を進めてきた。  しかし、実際には先進国製品やソフトウェアの海賊版や模倣品が横行している。中国国内で特許権侵害訴訟を起こしても、なかなか実効性が上がらないという声も聞かれ […]
    知財から見える世界:第8回 知的財産とイノベーション・エコノミー

    知財から見える世界:第8回
    知的財産とイノベーション・エコノミー

     先日、トヨタ自動車が、燃料電池に関して世界で保有する5680件の特許を関連業界の企業に無償で提供すると発表し、注目を集めた。多くの企業が技術を活用し、周辺分野の開発を進めることにより、燃料電池車の普及が進むことを期待したものだ。  こうしたアプローチは、今に始まったことではなく、既に、10年ほど前に、IBM社が、Linuxを利用するサーバーを販売するために、保有する500件ほどの関連特許を、オー […]
    知財から見える世界:第7回 知的財産と大学発ベンチャー

    知財から見える世界:第7回
    知的財産と大学発ベンチャー

     大学教授や研究員が発明した技術は、発明者個人ではなく大学の名前で特許を出願し大学が特許権者となるというルールが一般的である。大学によっては大学の産学連携本部の下に、Technology Licensing Organization (TLO)と呼ばれる別法人を作り、TLOが一括して出願や維持、ライセンスなどの特許管理を行っている。大学は特許の出願や維持のためのコストを負担する一方で、ライセンス収 […]
    知財から見える世界:第6回 知的財産とベンチャー

    知財から見える世界:第6回 知的財産とベンチャー

     個人あるいは企業が研究開発の結果、新たな技術を見つけ特許を取得したとしても、それをビジネスに繫げるためには、様々なリソースが必要となる。発明がアイデア商品のようなものであれば別だが、iPS細胞、LED、医薬品、電機品などでは実用化までには実験を繰り返し、安定した性能と採算性が確保できて初めてビジネスとして検討されることになる。この最も初期の段階では、果たして技術がモノになるかどうか、どの程度の費 […]
    知財から見える世界:第5回 知的財産の金銭化

    知財から見える世界:第5回 知的財産の金銭化

     膨大な研究開発費をかけた知的財産もそのままでは宝の持ち腐れである。特許を取得するためには出願料もかかる上に、特許を維持するためには特許料を払い続ける必要がある。特許は一国内だけで成立するため、海外でも特許を成立させるためには、海外での出願も必要となる。通常は、ある国で特許を出願すると共に、国際出願をし、特許出願の優先権を維持しつつ、特許を各国で出願していく。国際出願にしても、各国移行にしても、翻 […]
    知財から見える世界:第4回 知的財産権とは

    知財から見える世界:第4回 知的財産権とは

     知的財産には、特許だけではなく営業秘密、製造ノウハウ、著作権、商標、デザインなどいろいろなものが含まれる。日本の知的財産基本法では、「知的財産」とは、発明、考案、植物の新品種、意匠、著作物その他の人間の創造的活動により生み出されるもの(発明又は解明がなされた自然の法則又は現象であって、産業上の利用可能性があるものを含む)、商標、商号その他事業活動に用いられる商品又は役務を表示するもの及び営業秘密 […]
    知財から見える世界:第3回 特許訴訟の最前線

    知財から見える世界:第3回 特許訴訟の最前線

     最近、日本でも特許訴訟が増えてきた。しかし、米国では年間約6,000件、中国が約9,000件、EUで約3,000件の特許訴訟があるのに対して日本では300件にも満たない。中国で特許訴訟が多いのは、膨大な数の特許が成立し転々流通していることと、模倣品の横行という特殊事情による。中国は特許制度、訴訟制度そのものが法的安定性を欠いている部分もあるため、訴訟件数が多くてもあまり参考にならない。日本企業に […]
    知財から見える世界:第2回 特許と職務発明

    知財から見える世界:第2回 特許と職務発明

     会社や大学、研究機関で職務中に成された発見は一体誰のものだろうか?当然、発明した本人の才能はあろうが、会社のお金で発明できる環境や設備を作り、給料を支払ってきた事実も無視はできない。昨年、閣議決定された「知的財産政策に関する基本方針」では、「職務発明制度の抜本的な見直し」が盛り込まれ、特許法第35条の「職務発明」規定改正の議論が行われてきた。職務発明の対価については、2001年に、中村修二カリフ […]
    知財から見える世界:第1回 TPPと知的財産

    知財から見える世界:第1回 TPPと知的財産

     環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉が大詰めを迎えているが、交渉国が厳しく対立している交渉テーマのひとつに知的財産権がある。米国は、TPPを21世紀型のハイブリッドな貿易・投資協定と位置づけており、自由な物・サービスの移動のためには、域内で知的財産権が米国と同じように保護されることが不可欠だと主張している。これに対して途上国は、知的財産権の保護強化は途上国の負担を増すと反対している。  知 […]