乗りものを眺めるのに、ちょうどいい場所というのがある。  改装前の東京ステーションホテルには「椿」というレストランがあって、窓のすぐ外に東京駅のホームが並んでいた。ひっきりなしに列車や電車が入線し、発車する。食事の相手がだれでも、話がどんなにつまらなくても、窓の外を見ている限り気にならなかった。  先般仕事でロンドンに出張し、大英図書館を訪れたあと、すぐ近くのセントー・パンクラス駅に足を伸ばした。 […]